子供の英語学習

バイリンガル教育はおすすめではない?!

この記事は、早期バイリンガル教育のメリットやデメリットについて、お伝えしていきます。

日本も国際化が進みつつあると言われ、親としても子供の将来を考えると、思い切ってバイリンガル教育に踏み込むべきか、悩んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

バイリンガルは憧れるけど、中身が大切だよ!

日本でバイリンガル教育をする

日本で早い子供だと、インターナショナル保育園に0歳から預けていらっしゃる方もいます。

もちろん、個人差はありますが、こういった保育園や幼稚園に早期から通うお子さんは、英語の発音もキレイで、子供同士が英語で話す様子を見かけます。まさに、日本に住みながらにして、バイリンガルです。

最近だと、Kokiなどの芸能人のお子さんも、こうしたバイリンガル教育を受けていて、英語だけではなく、フランス語やスペイン語まで話せるそうです。

早期のバイリンガル教育は、あまりオススメではない

流暢に外国語が操れるとなると、当然、海外のメディア対応もバッチリ。なんの苦もなく、現場でやり取りしたり、インタビューに答えている姿は、まさに「かっこいい!」ですよね。

しかし、さまざまなケースを見てきた結論としては「しっかり日本語の土台を作る」のがおすすめです。

では、バイリンガル教育のメリット、デメリットは、どういったところにあるでしょうか?

バイリンガル教育のメリットとは?

これからの国際社会を見据えて、英語が流暢に話せるようになるメリットは、下記のようにたくさん!

  • 英語ができる方が、外資系などの就職や海外就職などの選択肢が増え、さらには給料が高くなる傾向がある。
  • 日本人としての枠にとらわれない、自由な発想ができ、意見をしっかり言える。
  • 自分は自分として、個性を大事にし、他人の意見などに左右されにくい。

日本人の中では、キラリと個性が光りやすいバイリンガルは、仕事や給与面でも選択肢が広がるのが嬉しいところですね!

給料が高くなる傾向は、嬉しいですね!

バイリンガル教育のデメリットとは?

逆に、デメリットはなんでしょう?

  • 協調性を重んじる日本社会の中で、個人の考え方をハッキリ発言するので、ある意味「浮きやすい」。
  • 漢字や日本の歴史などの知識が不足していてしまいがちで、日本企業で働くには不利になる。
  • 日本人としてのアイデンティティが育ちにくい。

そう、バイリンガル教育は、日本社会でこれから生活していくことを考えると、少しデメリットの割合が増えてしまうのです・・・

ではなぜ、メリットとデメリットを比較して、日本語教育をしっかり土台に置くことに軍配を上げるのでしょうか?

日本語も英語も中途半端になってしまいがち・・・

海外で見てきたバイリンガルの苦悩

英語が中途半端になりやすい

私も、イギリスやアメリカで、数多くのバイリンガルのお子さんを見てきました。彼らは、とても英語が流暢に見えます。

ここで重要なのは、英語が流暢に「見える」という表現をしたことです。

なぜなら実際、家庭に帰れば日本語の環境のお子さんがほとんどですから、実は現地のネイティブに比べると、自然な表現を身につける時間が少ないことがほとんど。

ですから、実は、実際に現地のネイティブのお子さんよりも、英語の単語量や言い回しの豊富さは、見劣りする方が多いのが実際でした。そして、そのことに悩んでいるお子さんもいらっしゃいました。

日本語が中途半端になりやすい

また、逆にバイリンガルの子供たちは、漢字がとっても苦手です。

現地の補習校に週1で通わせる方も多かったのですが、圧倒的に勉強時間が足りません。そして、日本語の言い回しや表現も思うように出てきません。

当然、日本語の文章を読んでも、「行間を読む」などは至難の技です。また、日本の文化や日本の歴史など、疎くなってしまいがちです。

日本人としてのアイデンティティが育ちにくい

そして何より、バイリンガルの子たちが苦悩していたのは、自分のアイデンティティがどこにあるのかという点。日本以外の国に出てみて痛感するのは、半端ない「愛国心」を持っている人々が圧倒的多数であること。

自分は、アメリカ人にはなりきれないし、日本人にもなりきれない。これは、自己肯定感の土台にも直結する、大事な問題です。

もちろん、「自分はアメリカ人!」と、振り切ってたくましく生きる、現地で育ったお子さんもたくさんいます。でも、アメリカ社会に馴染めなくて、モンモンとするお子さんもいらっしゃいました。

まずは日本語の土台を入れよう!

海外に出てみて実感するのは、英語が得意な人は、ゴマンといるという現実です。ヨーロッパや他のアジアの国の仲間たちは、文法間違いなんてなんのそので、ベラベラ話しまくります。

ですから結論としては、やはり、英語が話せるに越したことはありませんが、人間として何を語れるか、人格力や教養といった、中身が勝負になるということです。

しかも、日本人として、日本の文化や歴史、文学などの教養を身につけていた方が、「この人物は、なかなかやるな」と、評価が高まります。

教養を深めて、人物を練っていくことはとても大事なんだね!

おわりに

海外では、とにかく随時、あなたの考えや意見を求められます。まるで、「考える葦」になったような気分になるほどです。

日本にいれば、意見を言わず、なんとなく相槌を打っておく方が、評価が高いのとは真逆な世界。ですから、国際的に活躍する人材に育てようとするならば、まずはしっかりと意見が言えるだけの教養を身につけさせてあげるのが大事です。

焦らず、じっくりと日本人のアイデンティティの土台を作り、日本語で教養を深めつつ、英語教育を施していきましょう。